精神科病院における「鍵」に対する清潔意識と取り扱いの現状―手指衛生遵守の観点から―

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タイトル別名
  • Awareness of Hygenic Key Handling and Present Status in the Pyschiatry Hospital from the Viewpoint of Finger Hygiene Compliance
  • セイシンカ ビョウイン ニ オケル カギ ニ タイスル セイケツ イシキ ト トリアツカイ ノ ゲンジョウ シュシ エイセイ ジュンシュ ノ カンテン カラ
  • 手指衛生遵守の観点から

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抄録

当院は743床の精神科病院である. 精神科病院においては, 施設構造上, 閉鎖的環境が多く, そのため接触・交差感染の温床となる「ドア」が数多く存在するなど, 特殊な環境下にある. そして, 日常業務の中で頻回に行う「鍵を用いドアを開閉する一連の動作」を1行為と捉えるべきである. 細部に行き届いた環境整備や速乾性アルコール製剤による手指消毒を併用すると同時に, 鍵自体の汚染を管理することは手指衛生の遵守を行う上で不可欠となる. そこで, 手指衛生遵守の観点から, ドア開閉の際に用いる「鍵」に焦点を当て, 当院職員の鍵に対する清潔意識や取り扱いの状況を調査した. 清掃業者を含む全職員457名を対象に開催された院内感染対策研修会に参加した369名 (80%) に対し, 無記名・選択形式で施行した. 回収率99.2% (366/369).<BR>「鍵」および「鍵を入れてあるポケット」を「不潔」と答えた職員は, それぞれ71.6%, 68%であった. 鍵の洗浄については, 「必ず及び大体毎日洗浄」している者は33.1%であった. 洗浄方法については, 回答が得られた143名の解析から, 「石鹸洗浄」などの推奨される洗浄有効が確認された職員は49%であり, 「速乾性アルコール製剤」と「アルコール綿清拭」をそれぞれ16.1%, 5.6%認めた.<BR>今回のアンケート結果から, 当院職員の「鍵」に対する院内感染対策上の意識は比較的高いと考えられた. しかし, 鍵洗浄の現状や洗浄内容の検討から, さらなる意識付けと洗浄方法の指導が必要と思われた.

収録刊行物

  • 環境感染

    環境感染 22 (3), 214-218, 2007

    日本環境感染学会

参考文献 (6)*注記

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