コイル塞栓術が有用であった右胃大網動脈瘤破裂の1例

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  • Successful Coil Embolization of Ruptured Right Gastroepiploic Arterial Aneurysm

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抄録

高血圧の既往のある69歳の男性が心窩部痛と上腹部膨満感を主訴に救急部を受診した。Hb 6.2g/dlと貧血を認め,造影multidetector CTで左上腹部に 2 cmの腫瘤を認めた。maximum intensity projectionによる3D再構成画像で,動脈瘤は右胃大網動脈由来であることを確認した。CTの3D画像と同様に,腹腔動脈造影で右胃大網動脈遠位部に嚢状の瘤を認めた。患者が手術に難色を示し,また全身状態が比較的良好であったことからTAEを選択し,interlocking detachable coil(IDC)を用い瘤の内部を密に充填塞栓した。塞栓術終了後の経過は良好で腹部単純写真及びCTでcoil compactionや再出血がないことを確認し退院とした。IDCを用いたコイル塞栓術は,親動脈の血流を温存した状態で効果的な塞栓が施行できることから,胃大網動脈瘤破裂例に対する治療の選択肢となり得る。

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