経皮経肝胆道内瘻術が奏効した外傷性総胆管狭窄の1例

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  • A Case of common bile duct stricture due to blunt abdominal trauma successfully treated with percutaneous transhepatic biliary endoprosthesis

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抄録

経皮経肝胆道内瘻術が奏効した腹部鈍的外傷による総胆管狭窄の 1 例を経験した。症例は19歳の男性。野球の試合中,打球を捕球する際に鉄棒で腹部を打撲し受傷。同日,外来受診。腹部CTでは異常所見なく帰宅したが,受傷後10日目頃より食欲不振,尿黄染が出現,14日目に再受診となった。入院時検査所見では肝機能障害,黄疸を認め,腹部CT検査では肝内胆管から上部胆管にかけての拡張像と総胆管の閉塞像を認めた。以上より腹部鈍的外傷による遅発性良性胆管狭窄と診断した。減黄目的に右肝内胆管から7FrのPTCD(percutaneous transhepatic cholangiodrainage)チューブを挿入した。減黄は良好であったがチューブが自然脱落したため,左肝内胆管から同サイズのPTCDチューブを再挿入した。その後,8FrのPTCDチューブに変更,そのチューブが狭窄部を越え内瘻化が可能となり, 4 日後にクランプして完全内瘻とした。徐々に,14Frまで内瘻化チューブを拡張させ,造影にて良好な通過を確認し,ドレナージ後74日目に胆道留置チューブを抜去することができた。その後は再狭窄症状を認めず,現在,外来にて経過観察中である。

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参考文献 (14)*注記

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