鈍的肝損傷および脾損傷に対する治療法の選択

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タイトル別名
  • Management of Blunt Hepatic Injury and Splenic Injury
  • ─手術・IVRの位置づけ─
  • : The Role of Surgery and IVR

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抄録

鈍的肝損傷および脾損傷に対する治療法の選択について,損傷形態および治療成績をふまえ外科の立場より検討した。当科において入院加療した鈍的肝損傷29例および鈍的脾損傷18例を対象として検討した。日本外傷学会分類で,肝損傷形態はIa:1例,Ib:6例,II:3例,IIIa:4例,IIIb:13例であった。同じく,脾損傷形態はI:1例,II:4例,IIIa:5例,IIIb:2例,IIIc:4例,IIId:1例であった。肝損傷において,TAEはIIIa,IIIbの症例のうち8例に施行され全て止血に成功した。開腹手術はIIIa,IIIbの症例のうち10例に施行され,このうち1例に対し初回damage control surgeryを行った。脾損傷において,TAEはII型およびIII型症例各1例に施行された。III型症例12例では全例開腹手術を必要とし,脾縫合術1例,部分切除術1例,脾臓摘出手術10例であった。血流豊富な肝および脾の損傷において,初療時最も重要なことは出血をコントロールし循環動態を安定させることである。循環動態の変化を注意深く観察しながら肝および脾における損傷の程度と他臓器損傷の有無を考慮に入れ,手術またはIVRによる治療方針を決定すべきである。

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