経腹的アプローチが有用であった肺気腫併存特発性食道破裂の1手術例

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タイトル別名
  • A Case of Spontaneous Esophageal Rupture with Pneumonectasia Successfully Managed via the Transabdominal Approach

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抄録

特発性食道破裂は縦隔炎から重篤な経過をたどる救急疾患である。今回,われわれは肺気腫併存特発性食道破裂に対し,経腹的に破裂部を修復し,良好な経過を得た1例を経験した。症例は53歳の男性で嘔吐後の胸腹部痛を主訴に来院した。造影CTで下縦隔に液体貯留および気腫を認め,上部消化管造影検査で下部食道左壁より縦隔内に造影剤の漏出を確認した。特発性食道破裂と診断し,保存的治療を開始した。発症後40時間経過した時点で炎症反応の悪化,縦隔気腫の増大を認めたために手術を施行した。手術は低肺機能を考慮し,経腹的アプローチを選択した。食道裂孔を切開すると破裂部が良視野に確認できたため,同部位を縫合閉鎖し大網で被覆した。破裂部が胸部下部食道に限局していれば経腹的アプローチは可能であり,全身状態不良例や低肺機能例には有用な術式である。

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