再発を繰り返した左傍十二指腸ヘルニアの1例

  • 嶋村 和彦
    新潟県厚生連佐渡総合病院外科 新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器・一般外科
  • 親松 学
    新潟県厚生連佐渡総合病院外科
  • 佐藤 賢治
    新潟県厚生連佐渡総合病院外科
  • 筒井 光廣
    新潟県厚生連佐渡総合病院外科
  • 畠山 勝義
    新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器・一般外科

書誌事項

タイトル別名
  • A CASE OF RECURRENT LEFT PARADUODENAL HERNIA

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抄録

症例は37歳,女性.激しい腹痛を主訴に受診.圧痛は認めたが,反跳痛,筋性防御はなかった.腹部CT検査では空腸上部に腸間膜収束像と一塊状となった空腸を認め,腸間膜裂孔に生じた内ヘルニアが疑われた.明らかな腸管虚血はなく,鎮痛剤が著効し腹痛は著明に改善したため保存的治療を行った.翌日には症状は消失した.その後同様な症状を2度繰り返し,再々発時には腸管虚血が疑われ,手術を施行した.開腹所見でTreitz靱帯左側にヘルニア門を認め,空腸が嵌頓,左傍十二指腸ヘルニアと診断した.嵌頓腸管は虚血,壊死無く,整復とヘルニア門の閉鎖のみ行った.RetrospectiveにCT画像を検討すると傍十二指腸ヘルニアの所見を認めた.繰り返す原因不明の腹痛では本疾患の可能性もあり鑑別診断に挙げるべきである.

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参考文献 (12)*注記

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