両側特発性上腰ヘルニアの1例

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タイトル別名
  • A Case of Idiopathic Bilateral Superior Lumbar Hernia

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抄録

症例は68歳の男性。1カ月前に左腰部膨隆を自覚し来院した。来院時,立位で左腰部に径約5cm,右腰部に径約3cmの軟かい膨隆を認めた。腹部CTおよびMRI検査で右Grynfelt三角から後腹膜脂肪識の脱出を,左Grynfelt三角から腸管の脱出を認めた。両側性特発性上腰ヘルニアと診断し,手術を行った。ヘルニア門は約3cmでヘルニア内容は結腸であった。Mesh plug techniqueでヘルニア門を閉鎖した。術後約3年6カ月の現在,再発の兆候を認めない。また右上腰ヘルニアに関しては無症状で,またヘルニア内容が後腹膜脂肪組織であったため経過観察しているが増大傾向を認めない。本邦における両側特発性腰ヘルニアの報告は自験例を含め4例ときわめて稀である。腰背部の膨隆や違和感などの症状を主訴とする場合には本疾患を念頭に置く必要があると思われた。

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