大腸癌穿孔5例の検討

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  • A Study of Five Patients with Colorectal Cancer Perforation

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抄録

大腸癌穿孔5例の臨床所見,検査所見を後方視的に評価し,その特徴を検討した.平均年齢68.0歳,男性3例,女性2例,癌の占居部位はS状結腸2例,直腸3例,癌部穿孔2例,口側穿孔3例であった. CTが診断に有用であった.術式はHartmann手術3例,人工肛門造設術2例であった.組織型は高分化腺癌3例,低分化腺癌1例で,進行度はStage IVが4例であった.腹膜炎は汎発性3例,限局性2例であった.白血球数は全例4,000/μl以上であった.初診時のAPACHE II スコアは平均9.8であった.術後30日以内の死亡例はなかった.術後合併症として創感染2例,腹腔内膿瘍2例を認めた.大腸癌穿孔では患者背景,受診までの期間,腹腔内の汚染状況,全身状態,癌占居部位・穿孔部位を考慮して術式を決定すべきである.手術関連死亡例はなく,急性期の予後は良好であったが,特に口側穿孔例では創感染の合併頻度が高く,術中感染対策に工夫が必要であると考えられた.

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