体温曲線の複雑性による敗血症由来の多臓器機能不全患者の予後評価

• 遠藤 裕

  新潟大学医歯学総合病院救急部・集中治療部

• 本多 忠幸

  新潟大学医歯学総合病院救急部・集中治療部

• 大橋 さとみ

  新潟大学医歯学総合病院救急部・集中治療部

• 肥田 誠治

  新潟大学医歯学総合病院救急部・集中治療部

• 木下 秀則

  新潟大学医歯学総合病院救急部・集中治療部

• 佐藤 暢夫

  新潟大学医歯学総合病院救急部・集中治療部

• 斉藤 直樹

  新潟大学医歯学総合病院救急部・集中治療部

書誌事項

タイトル別名

• Approximate entropy of temperature curve of ICU patients with septic multiple organ dysfunction syndrome

抄録

【目的】近似エントロピー（approximate entropy, ApEn）は時系列データの複雑性の指標である。最近，敗血症由来の多臓器機能不全（multiple organ dysfunction syndrome, MODS）患者で，体温曲線のApEnがsequential organ failure assessment（SOFA）スコアと逆相関を示し，予後の指標になると報告された。当院のデータを用いて遡及的に検証した。【方法】過去18ヶ月間に，MODSの診断でICUに入室し，膀胱温を4日以上測定した15歳以上の患者30例を対象とした。ApEnとSOFAスコアの相関性，ApEnがICU転帰を予測出来るか検討した。ApEnは朝9時に先行する33時間分（68個）の膀胱温のデータから算出，同時にSOFAスコアを決定した。【結果】30例中5例が死亡した。30例中29例でApEnとSOFAスコアに逆相関を認めた。転帰に関して，ApEnの平均値，最大SOFAスコア，最大乳酸値が有意な変数であったが，ロジスティック多変量解析では最大SOFAスコアのみが有意となった。【結論】体温曲線のApEnは敗血症由来MODS患者の予後を反映しない。

収録刊行物

• 日本集中治療医学会雑誌

  日本集中治療医学会雑誌 15 (4), 515-520, 2008

  一般社団法人 日本集中治療医学会

キーワード

• septic multiple organ dysfunction syndrome (MODS)
• temperature curve
• complexity
• approximate entropy (ApEn)
• ICU outcome

詳細情報

• CRID: 1390001204444811520
• NII論文ID: 130004514184
• NII論文ID: 10024841229
• NII書誌ID: AN10474053
• DOI: 10.3918/jsicm.15.515
• ISSN: 1882966X
• ISSN: 13407988
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2009004955
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • Crossref
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可