食品研究用小型MRIによるキュウリの緩和時間強調イメージ

  • 小泉 美香
    独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構食品総合研究所
  • 内藤 成弘
    独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構食品総合研究所
  • 狩野 広美
    くぬぎ山蛍雪研究所
  • 拝師 智之
    (株)エム・アール・テクノロジー

書誌事項

タイトル別名
  • Examination of the Tissue Water in Cucumber Fruit by Small Dedicated Magnetic Resonance Imaging with a 1-T Permanent Magnet
  • ショクヒン ケンキュウヨウ コガタ MRI ニ ヨル キュウリ ノ カンワ ジカン キョウチョウ イメージ

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抄録

磁場強度1Tesla(T)の永久磁石を用いて食品研究用に開発された小型MRIによるキュウリ果実のイメージを,形態観察と細胞の水の量と運動性測定という側面において,7T高分解能MRIのイメージと比較した.組織の水の分布と運動性については,MRIにおける基礎的測定法である緩和時間強調イメージによって解析した.キュウリ果実のイメージでは,果肉,胎座,種子および維管束など生理状態の異なる組織が明瞭に識別された.7T高分解能MRIのイメージは鮮明に形態を示す.しかし,シグナルのT2減衰が強いために胎座のような低水分領域の運動性が低い水の検出が困難であった.一方,1T小型MRIはシグナルのT2減衰が穏やかであるため,胎座の運動性が低い水を検出できた.シグナルのT1による回復は,1T小型MRIの方が7T高分解能MRIより速やかであった.よって,1T小型MRIは形態観察におけるイメージの鮮明さでは劣るものの,水の量と運動性測定においては広い範囲の運動性を持つ水を検出できる点,および,強いT1強調が得られる点で高分解能MRIより有利である.1T小型MRIは,水の量と運動性が広い範囲にまたがる食品の有効な研究手法であると考えられる.

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参考文献 (35)*注記

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