セグメント化ポリウレタンのミクロ凝集構造と接着特性への硬化温度の影響

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  • The Influence of Curing Temperature on Micro-aggregation Structure and Adhesion Properties of Segmented Polyurethanes

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抄録

セグメント化ポリウレタン(SPUs)のミクロ凝集構造と接着特性への硬化温度の影響を調べるため,SPUsを4,4'‐ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI),1,4‐ブタンジオール(BD),ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール(PTMG)を用いてプレポリマー法で合成した。硬化温度を50,75,100,125℃と変化させた。膨潤試験,偏光顕微鏡観察,示差走査熱量測定,接触角測定,アルミ板とのT型剥離試験により,ミクロ凝集構造と接着特性を評価した。硬化温度が上昇すると,SPUのハードセグメント(HS)が成長,凝集し物理架橋を生成するため,HSドメインの融点(Tm,H),ソフトセグメントのガラス転移温度(Tgs)とも上昇し,接着強度と表面エネルギーは減少した。また,ソフトセグメントドメインの融点(Tm,S)は硬化温度の上昇ともにいったん上昇するが,さらに硬化温度が高いと観察されなかった。興味あることには100℃以上で硬化したSPUsの(Tm,H)はそれより低温硬化したSPUsより極端に高い温度であった。100℃以上で硬化したSPUsの表面自由エネルギーの極性成分(γsp)と接着強度は低温硬化のそれより弱かった。これらの結果は極性であるハードセグメメント成分がSPUsの極表面ではわずかしか存在しないことを示している。よって,接着強度は接着強度はSPUsの極表面に存在するハードセグメントに強く依存した。とりわけ,全てのSPUsにおいて凝集破壊が観察された。これは,高い極性を持つアルミ基板とSPUs接着剤との分子間相互作用が,SPUs接着剤の分子内相互作用よりより強いことによると考えられる。

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