肛門管癌の内視鏡診断

書誌事項

タイトル別名
  • Endoscopic Diagnosis of Anal Canal Cancer

この論文をさがす

抄録

肛門管癌は,体表に近いにもかかわらず進行癌で発見されるものが多い.その理由は,羞恥心から来院が遅れること,確定診断が遅れることなどが主な原因と考えられる.頻度はそれほど高くはないが,過去3年間に当院で経験した直腸癌380例中肛門管癌は12例(3.2%)で,進行癌が8例,早期癌4例であった.内視鏡診断は,肛門部を注意して観察することで早期診断可能であるが,反転観察が重要である.通常の観察では肛門管は接線方向の観察になり病変部の正面視は不可能である.反転しスコープ軸を回転させることで肛門管の観察は可能となる.さらに,色素撒布と拡大観察を加える腫瘍ピットを観察することで腺癌の診断が可能となる.さらに,NBIを用いた拡大観察を行うことで扁平上皮癌の診断が可能である.すなわち,食道のdysplasiaや癌でみられるものと同様の血管パターンが観察されることから診断可能である.<br>

収録刊行物

参考文献 (12)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ