下咽頭癌における化学放射線療法後の救済手術合併症―咽喉頭食道摘出空腸置換術について―

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タイトル別名
  • Clinical results of salvage surgery in hypopharynx carcinoma after chemoradiotherapy
  • -咽喉頭食道摘出空腸置換術について-

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抄録

1997年から10年間の化学放射線療法(以下CRT)後の咽喉頭食道摘出空腸置換術症例に限定して合併症のアンケート調査をおこない6施設,計60例を検討した。結果,重篤11%(うち死亡3%),中等度10%,軽度36%,計57%となった。頸動脈破裂が3例(5%),空腸壊死は4例(6%)に認めた。その他,大瘻孔は6例(10%),小瘻孔8例(13%),膿瘍8例(13%),気管孔壊死3例(5%),頸部皮弁壊死3例(5%)であった。飲水開始平均日数は非瘻孔形成例:18.1日(中央値14日),瘻孔形成例:81.8日(中央値37日)となり,瘻孔の内訳別では大瘻孔:129日,小瘻孔:34.7日を要した。5年粗生存率は37%であった。CRTの台頭にともない再発例も一定の増加が予測されるが,手術合併症を減少させる手技の標準化,リスクを踏まえて適応を拡大化するなど各施設の治療戦略の確立が当面の課題と考えられた。

収録刊行物

  • 頭頸部癌

    頭頸部癌 34 (4), 488-492, 2008

    日本頭頸部癌学会

被引用文献 (8)*注記

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参考文献 (4)*注記

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