80歳以上の高齢者頭頸部癌症例の検討

  • 鈴木 幹男
    琉球大学医学部高次機能医科学講座耳鼻咽喉・頭頸部外科学
  • 又吉 宣
    琉球大学医学部高次機能医科学講座耳鼻咽喉・頭頸部外科学
  • 長谷川 昌宏
    琉球大学医学部高次機能医科学講座耳鼻咽喉・頭頸部外科学
  • 新濱 明彦
    琉球大学医学部高次機能医科学講座耳鼻咽喉・頭頸部外科学
  • 平川 仁
    琉球大学医学部高次機能医科学講座耳鼻咽喉・頭頸部外科学
  • 喜友名 朝則
    琉球大学医学部高次機能医科学講座耳鼻咽喉・頭頸部外科学

書誌事項

タイトル別名
  • Treatment outcomes in head and neck cancer patients aged 80 or over

この論文をさがす

抄録

当科を受診した80歳以上の頭頸部癌新鮮例51例を診療録に基づき解析した。原発巣は下咽頭,中咽頭,喉頭に多くみられた。進行癌が多く,III,IV期が74%を占めた。初診時併存疾患を72%の症例で認め,1994年の当科調査と比較して増加していた。心疾患,腎不全をともなう5例で併存疾患が治療法選択に影響していた。根治治療を52.9%,姑息治療を19.6%におこない,無治療例は27.5%であった。治療による合併症を4例に認め,このうち1例で術後早期に突然死を生じた。根治治療群は姑息治療群,無治療群と比較し有意に粗生存率が高く,姑息治療群は無治療群よりも粗生存率が高かった。この調査から,80歳以上の高齢者頭頸部癌の治療にあたっては,歴年齢にとらわれることなく,個々の全身状態を十分に評価して治療法を選択すべきと考えた。また可能であれば姑息治療を選択する方が無治療と比較し生命予後を改善することが判明した。

収録刊行物

  • 頭頸部癌

    頭頸部癌 34 (4), 594-599, 2008

    日本頭頸部癌学会

被引用文献 (8)*注記

もっと見る

参考文献 (20)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ