奇異性脳塞栓症を生じた遺伝性血管神経性浮腫の1例

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タイトル別名
  • A case of paradoxical embolic stroke with hereditary angioneurotic edema

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抄録

症例は67歳女性.30歳頃から打撲や捻挫した部位に限局した一過性の浮腫や,顔面全体の腫脹が出現するエピソードがあった.47歳時に兄や父とともにC1-inhibitorの活性低下を指摘され,遺伝性血管神経性浮腫と診断された.2002年6月某日(62歳時)に運動性失語および右上肢の脱力が出現.頭部MRIにて左放線冠および左頭頂葉皮質下に梗塞巣を認めた.経食道心エコーにて卵円孔開存を認め,また経過中に肺塞栓症および下肢深部静脈血栓症の合併を認めたため,奇異性脳塞栓症と考えられた.遺伝性血管神経性浮腫患者では,C1-inhibitor活性が低下しており,その結果線溶系が抑制されるため,塞栓症発症のリスクが高くなる可能性があり注意が必要と考えられる.<br>

収録刊行物

  • 脳卒中

    脳卒中 30 (4), 589-592, 2008

    一般社団法人 日本脳卒中学会

参考文献 (13)*注記

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