千曲川流域の水田における底生動物の群集構造に及ぼす捕食者と除草剤の影響

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タイトル別名
  • Effects of predators and herbicides on community structure of benthic invertebrates in paddy fields around the Chikuma River
  • チクマガワ リュウイキ ノ スイデン ニ オケル テイセイ ドウブツ ノ グンシュウ コウゾウ ニ オヨボス ホショクシャ ト ジョソウザイ ノ エイキョウ

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抄録

慣行水田における底生動物の群集構造に影響を及ぼす要因を解明することを目的として,長野県上田市塩尻地区の水田および五加地区の尻無川を水源とする水田と五加前池を水源とする水田の3つの地域間で,底生動物相の比較を行った。肉食性水生昆虫の出現種類数および底生動物の総個体数中に占める肉食性水生昆虫の割合は,塩尻地区より五加地区の水田で高かった。一方,貧毛類やユスリカ科の個体数は,塩尻地区の水田で有意に高い値を示した。したがって,肉食性水生昆虫の個体数が,貧毛類やユスリカ科の個体数に影響している可能性が考えられた。次に,水田の底生動物に対する除草剤の影響を評価するため,五加地区で使用頻度の高かった2種類の除草剤が使用されていた水田の間で貧毛類とユスリカ科の個体数を比較した。その結果,イマゾスルフロン・オキサジクロメホン・クロメプロップ・ダイムロン水和剤の使用された水田では,ジメタメトリン・ピラゾスルフロンエチル・ピリフタリド・プレチラクロール粒剤の使用された水田より貧毛類の個体数が有意に少なかった。この原因として,除草剤の種類による生態毒性の強さの違いがもたらす直接的影響や間接的影響が考えられた。

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参考文献 (74)*注記

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