門脈腫瘍栓を伴う大腸癌肝転移の1例

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  • COLONIC CANCER HEPATIC METASTASES WITH MASSIVE PORTAL VENOUS TUMOR THROMBI-A CASE REPORT-

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抄録

52歳,男性.平成17年2月直腸癌の診断で,前医にて腹会陰式直腸切断術施行し,Ra-Rb,2型,50×70mm,well differentiated adenocarcinoma,pSS,ly1,v2,pN0,sH0,sP0,cM0,fStageIIの診断となった.術後はUFT+LV内服を半年間施行.その後当院紹介.平成18年6月のCTでは肝転移を認めなかったが,平成19年2月,肝機能障害指摘され,精査にて肝左葉全体を占める肝転移,門脈左枝の腫瘍塞栓を認めた.平成19年4月肝左葉切除施行.術後はFOLFIRI療法を半年間行い,術後10カ月現在,再発の兆候なく経過している.大腸癌肝転移が肉眼的な門脈腫瘍栓を伴う症例は,大腸癌肝転移のうち0.6-3.5%と少ない.手術非施行例の平均生存期間は3.8カ月とも言われ予後は悪いが,外科的切除が予後を改善した報告例もある.今回われわれは,大腸癌肝転移門脈腫瘍栓の1例を経験し,外科的切除によって良好な経過が得られているので文献的考察を踏まえ報告した.

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参考文献 (35)*注記

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