縦隔リンパ節転移にて再発し再発巣切除を行った肝細胞癌の1例

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  • SURGICAL RESECTION OF MEDIASTINAL LYMPH NODE METASTASIS OF HEPATOCELLULAR CARCINOMA AFTER HEPATIC RESECTION-A CASE REPORT-

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抄録

症例は62歳,女性.主訴は右季肋部痛.他院で右葉の肝細胞癌に対し肝動脈塞栓化学療法を施行されたが腫瘍が増大し,手術目的で当科へ紹介された.肝右葉前区域に主座を置く巨大肝細胞癌に対し,拡大右葉切除術を施行した(t3n0m0,stageIII).病理組織診断では低分化肝細胞癌であった.術後3カ月目よりAFPの上昇がみられ胸部CTで孤立性の縦隔内リンパ節転移を認めた.全身化学療法後にリンパ節摘出術を行った.病理組織検査でAFP陽性であり,肝細胞癌の転移として矛盾しない所見であった.術前のAFP値は5,425ng/mlであったが,術後には24.4ng/mlまで低下した.その後再びAFPの上昇を認め,全身化学療法を行ったが多発肺転移,多発縦隔リンパ節転移をきたし,初回手術後25カ月目に他界された.肝細胞癌術後に孤立性縦隔リンパ節転移をきたした稀な症例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.

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