膵コレステリン肉芽腫の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A CASE OF PANCREATIC CHOLESTERIN GRANULOMA

この論文をさがす

抄録

症例は79歳,男性.12年前に急性膵炎を発症して以来,糖尿病のため近医に通院していた.平成18年2月から糖尿病が増悪し,腹部CTで膵尾部に腫瘤を認め当院紹介となった.腫瘍マーカーは全て正常範囲内であった.腹部エコー,CT,MRIでは膵尾部に径20mmの腫瘤と,その尾側主膵管の拡張を認めた.画像上は膵癌の可能性も否定できず,手術を施行した.開腹所見では膵尾部に表面に陥凹を伴う径20mmの硬結を認め,横行結腸間膜および横行結腸に強固に癒着していた.病変部以外の膵実質はほぼ正常所見を呈していた.膵体尾部切除術,摘脾術,横行結腸部分切除術を施行した.術後の病理組織診断では,腫瘤の中心部にコレステロール結晶とこれを取り囲む異物巨細胞を認め,コレステリン肉芽腫と診断された.本症は肝に発生したとする報告例は散見されるが,膵に限局した病変は稀であり,検索しえた限りでは本邦報告例はなかった.

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (14)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ