ポリスチレンスルホン酸カルシウム(アーガメイトゼリー)内服中に発症したS状結腸穿孔性腹膜炎の1例

  • 高橋 広城
    名古屋市立大学大学院医学研究科消化器外科
  • 今藤 裕之
    名古屋市立大学大学院医学研究科消化器外科
  • 原 賢康
    名古屋市立大学大学院医学研究科消化器外科
  • 佐藤 幹則
    名古屋市立大学大学院医学研究科消化器外科
  • 竹山 廣光
    名古屋市立大学大学院医学研究科消化器外科

書誌事項

タイトル別名
  • A CASE OF PERITONITIS WITH SIGMOID COLON PERFORATION THAT DEVELOPED DURING ADMINISTRATION OF CALCIUM POLYSTYRENE SULFONATE (ARGAMATE JELLY)

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抄録

症例は79歳,女性.慢性腎不全に伴う高K血症のためにポリスチレンスルホン酸カルシウム(アーガメイトゼリー)を内服していた.2008年4月3日に突然下腹部痛が出現し,近医を受診した.穿孔性腹膜炎の診断で当院に緊急搬送され,同日緊急手術を施行した.開腹するとS状結腸に非常に硬い便塊を認め,S状結腸に陥頓していた.この口側の腸管は約10cmにわたり漿膜が裂けており,その一部に1.5cmの穿孔を認めた.損傷部位を含めてS状結腸を切除し,腹腔ドレナージおよびHartmann手術を行った.術後は集学的治療を行い,救命することが可能であった.病理学的には損傷部位および便塊にcrystalline materialが確認され,アーガメイトゼリー内服がS状結腸穿孔の発症に強く関与していることが予想された.同薬剤内服時における排便コントロールの重要性が強く示唆された症例であった.

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参考文献 (12)*注記

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