原発性十二指腸癌10例の臨床病理学的検討

  • 小川 洋
    厚生連長岡中央綜合病院消化器病センター外科
  • 河内 保之
    厚生連長岡中央綜合病院消化器病センター外科
  • 西村 淳
    厚生連長岡中央綜合病院消化器病センター外科
  • 牧野 成人
    厚生連長岡中央綜合病院消化器病センター外科
  • 新国 恵也
    厚生連長岡中央綜合病院消化器病センター外科

書誌事項

タイトル別名
  • A CLINICOPATHOLOGICAL STUDY OF TEN CASES OF PRIMARY DUODENAL CARCINOMA

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抄録

原発性十二指腸癌は全消化器癌の0.4%以下と報告されており稀な疾患である.過去6年間に当科で切除された原発性十二指腸癌10例の臨床病理学的検討を行った.癌占拠部位は十二指腸第I部が2例,第II部が8例.5例が心窩部痛で,4例は閉塞性黄疸で発症した.手術は膵頭十二指腸切除により全例に対し肉眼的治癒切除が可能であった.肉眼型は2型が7例と多く,組織型は低分化型腺癌が5例,分化型腺癌が4例であった.膵浸潤は8例に認め,壁深達度ssが1例,mが1例であった.リンパ節転移は7例が陽性.高度リンパ節転移を伴った膵浸潤陽性の4例はいずれも3年以内に死亡しており予後不良の傾向があったが,膵浸潤のないリンパ節転移陽性例に拡大リンパ節郭清を施行し,比較的長期生存が得られた.癌占拠部位や進行度に応じて拡大郭清を含めた適切な術式を選択することが治療成績向上につながると考える.

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被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (45)*注記

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