悪性乳腺腺筋上皮腫の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A CASE OF MALIGNANT ADENOMYOEPITHELIOMA OF THE BREAST

この論文をさがす

抄録

症例は64歳,女性.左乳房の腫瘤に気付き,平成19年5月当科外来を受診した.左乳房のD領域に1.5×1.5cmの硬で表面不整,境界明瞭な腫瘤を触知し,USではlow echoicで境界明瞭な石灰化を伴う腫瘤像を,MMGでは微細な石灰化とspiculaを伴う濃度上昇域を認めた.穿刺吸引細胞診では,異型の目立つ細胞を認め悪性と診断した.6月に左乳房扇状部分切除術・センチネルリンパ節生検を施行した.病理組織検査所見は1.2×1.0×0.8cmの分葉状の腫瘍で,淡明な胞体のPAS反応陽性顆粒を有する筋上皮様細胞の増殖が主体で,腺腔構造を形成する細胞を混じていた.免疫組織学的には,腺腔形成細胞がEMA,CK陽性,筋上皮様細胞はCK,S-100,α-SMA,CD10,vimenntin陽性であった.以上の所見より腺筋上皮種と診断した.筋上皮部分に核分裂像が目立ち,p53とMIB-1が陽性で中心壊死が存在することより,悪性と診断された.腺筋上皮種は本邦では1986年以来自験例を含めて107例が報告され,その内,悪性と報告されたものは自験例を含めて11例である.悪性乳腺腺筋上皮種の1例を報告する.

収録刊行物

被引用文献 (2)*注記

もっと見る

参考文献 (21)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ