術前肝生検にて診断した肝炎症性偽腫瘍の1例

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  • A CASE OF HEPATIC INFLAMMATORY PSEUDO-NEOPLASM DIAGNOSED BY PREOPERATIVE NEEDLE BIOPSY OF THE LIVER

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抄録

症例は72歳,男性.約2カ月続く全身倦怠感,食欲不振を主訴に近医を受診し,肝腫瘍の診断で当科紹介され精査加療目的に入院.腹部CT検査および腹部超音波検査にて肝S6に径約4cm腫瘤像を認め,転移性肝癌もしくは胆管細胞癌が疑われた.また,腹部血管造影検査では肝細胞癌は否定的であった.肝悪性腫瘍を疑うも画像的検査で確定診断を得られず,超音波ガイド下肝針生検の結果,炎症性細胞浸潤と結合織の増生からなる病変を認め,炎症性偽腫瘍と診断した.その後,発熱および右季肋部痛が出現.保存的治療で軽快しないため,肝部分切除術を施行した.手術検体の病理結果も生検と同様であった.肝の炎症性偽腫瘍は比較的稀で,しばしば診断に苦慮する疾患である.今回われわれは悪性疾患との鑑別に苦慮し,生検で診断しえた肝炎症性偽腫瘍の1手術例を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する.

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参考文献 (30)*注記

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