Hassab手術後に高度門脈内血栓を認めた1例

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  • A CASE REPORT OF SEVERE PORTAL VEIN THROMBOSIS AFTER HASSAB'S OPERATION

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抄録

症例は23歳,女性.左上腹部の腫瘤を主訴に近医を受診.巨脾・肝機能障害を認め当院紹介.腹部CT,血管造影検査,上部消化管内視鏡検査で脾腫,脾静脈の閉塞,食道胃静脈瘤を認めた.脾静脈閉塞に伴う脾腫,胃静脈瘤と診断し,Hassab手術を施行した.術後に高熱と全身倦怠が持続し,術後10日目のCTで上腸間膜静脈から肝内門脈まで高度の血栓を認めた.同日より抗凝固療法・抗血小板療法を開始した.術後17日目のCTで上腸間膜静脈内の血栓は縮小しており,術後48日目エコーでは門脈内に血栓は残存していたものの,血流は改善していた.脾摘出術後の門脈内血栓は4.4-17.3%に認められ,高度の血栓により門脈・上腸間膜動脈の完全閉塞をきたすと,肝機能障害・腸管壊死を引き起こすため適切な治療を必要とされる.Hassab術後は門脈内血栓症を常に念頭に置き,門脈内に血栓が確認された場合は直ちに抗凝固療法にて治療する必要があると考えられた.

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