小網裂孔ヘルニアの1例

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  • A CASE OF LESSER OMENTAL HERNIA

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抄録

症例は48歳,男性.腹満感を主訴に近医受診,イレウスと診断されて当院紹介となった.特記すべき既往はない.入院後イレウス管を挿入して保存的に加療するも改善せず,入院第3病日に施行した造影CTにて腸管の嵌頓像を認め,内ヘルニアを強く疑い同日緊急手術を施行した.Treitz靱帯から160cmの腸管が10cm,小網の異常裂孔に嵌頓していた.腸管の壊死を認めず,愛護的に引き出した後に異常裂孔を閉鎖した.小網裂孔ヘルニアは稀な疾患であり術前診断は困難であったと思われる.今回われわれは小網裂孔ヘルニアの1例を経験したので報告する.小網裂孔ヘルニアと他の内ヘルニアとの治療法に違いはない.しかし画像診断により詳細な診断に至る可能性があり,われわれはイレウスの診療にあたり本症を念頭に置いておく必要がある.

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