MDCTが術前診断に有効であった網嚢ヘルニアの1例

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  • A RARE CASE OF HERNIA BURSAE IN WHICH MULTISLICE CT WAS USEFUL IN DIAGNOSIS

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抄録

症例は40歳の手術歴のない女性で,昼食後に徐々に増強する腹痛,嘔吐を認めたため来院した.入院時のmulti-row detector CT(以下MD-CT)で網嚢内に拡張した小腸を認め網嚢ヘルニアと診断し,イレウス管を挿入した.翌日になっても改善されなかったため緊急手術を施行した.約60cmの小腸が横行結腸を乗り越え網嚢内に嵌頓していた.小腸は鬱血していたが,整復のみで色調は改善したため腸切除は行わなかった.大網や横行結腸間膜に裂孔は確認できず,胃結腸間膜の陥凹に嵌頓していた.自験例のような裂孔のない網嚢ヘルニアは非常に稀であるが,開腹歴のないイレウス症状をしめす病態の原因として念頭に置く必要があると思われた.また,MD-CTで撮影し作成したmultiplanar reformation(MPR)画像が術前診断に非常に有用であった.

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