-
- 阿比留 教生
- 長崎大学医学部・歯学部附属病院 内分泌・代謝内科
書誌事項
- タイトル別名
-
- Antigen specific treatment for the inhibition and remission of type 1 diabetes
この論文をさがす
抄録
近年,抗CD3抗体などの生物学的製剤を中心に,ヒト1型糖尿病の分野においても,疾患の治癒・寛解を目指し治療法の開発研究がすすめられているが,安全性,経済性などの問題を抱えている.インスリンは,ヒト,NODマウスの1型糖尿病発症に関連した主要自己抗原である.膵島浸潤T細胞に反応せず,しかも,血糖降下作用を維持する変異インスリン(B鎖16位残基アラニン置換)のみを発現するNODマウスでは,インスリン自己抗体が発現せず,糖尿病も発症しない.NODマウスに,poly I:Cをアジュバントに,インスリンB鎖ペプチドを皮下投与すると,制御性T細胞だけでなく,攻撃側のeffector細胞も膵島内に誘導する.一方,インスリンB鎖16, 19位残基を置換したアナログペプチドを,コレラトキシンをアジュバントに経鼻投与すると,強力な糖尿病発症の抑制と高血糖からの寛解を誘導した.このように,膵島抗原を用いた免疫学的治療法は,投与ルートやアジュバント,補助療法に改良を加え,制御性T細胞を優位に誘導することより,今後,ヒト1型糖尿病において,安全な発症阻止,寛解誘導の治療法となる可能性がある.<br>
収録刊行物
-
- 日本臨床免疫学会会誌
-
日本臨床免疫学会会誌 31 (6), 432-439, 2008
日本臨床免疫学会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390001204649269120
-
- NII論文ID
- 10024961539
-
- NII書誌ID
- AN00357971
-
- ISSN
- 13497413
- 09114300
-
- HANDLE
- 10069/24074
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- IRDB
- Crossref
- CiNii Articles
- KAKEN
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可