腎機能障害が遷延した溶連菌感染後急性糸球体腎炎の兄弟例

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  • Two cases of acute poststreptococcal glomerulonephritis with persistent renal function impairment developed in brothers.

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抄録

腎機能障害が遷延した溶連菌感染後急性糸球体腎炎 (APSGN) の兄弟例を経験した。二人とも父子家庭のため児童養護施設に入所していたが,APSGNに罹患したのは全入所者 (31人) のうち,兄弟のみであった。二人とも臨床症状は典型的なAPSGNであったが,兄は溶連菌感染の証明ができないため,また,弟は腎機能障害の急速な進行のために病初期に腎生検を行った。両者とも光顕では管内増殖性糸球体腎炎を呈し,nephritis-associated plasmin receptor (NAPlr) による染色が陽性でありAPSGNの診断を得た。さらに半月体形成や,Garland typeなどの積極的な治療を要する糸球体病変ではなかったため,保存的治療のみを行い,良好な転機をとった。APSGNは病初期管理が重要であり,急速進行性腎炎を呈する例や慢性腎炎の急性増悪との鑑別に苦慮する例では,腎生検を早期に施行することにより治療方針の決定,その後のフォローアップに有用であると思われた。

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参考文献 (22)*注記

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