入院後3カ月で末期腎不全に至り,透析・移植を行ったIgA腎症の13歳女児例

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タイトル別名
  • Rapid progression to end-stage renal failure in a pediatric patient with IgA nephropathy

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抄録

症例は13歳,女児。2年前から学校検尿で蛋白尿・血尿を指摘され要精査とされていたが未受診だった。全身性浮腫が出現し当院入院。高血圧,腎機能低下,高度の蛋白尿,血尿を認めた。腎生検では,観察糸球体の約半数に全節性硬化,一部に係蹄壊死,ボウマン嚢癒着,線維性半月体形成がみられた。尿細管・間質領域の線維化,間質細胞浸潤も広範囲に認められた。免疫染色ではIgA優位なメサンギウム,係蹄への顆粒状沈着を認めた。IgA腎症と診断し,免疫抑制剤,抗血小板薬,抗凝固薬による治療を開始したが,腎機能低下が進行し,短期間透析施行後,家族,本人の希望により父をドナーとして腎移植術を行った。現在まで移植後再発もなく経過している。学校検尿の意義と検尿システムの一層の改善の必要性を再認識させられる症例と考えられた。

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参考文献 (18)*注記

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