長期観測に基づく積雪下の土の凍結融解特性

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タイトル別名
  • Characteristics of ground freezing and thawing under snow cover based on long-term observation
  • チョウキ カンソク ニ モトズク セキセツ カ ノ ツチ ノ トウケツ ユウカイ トクセイ

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抄録

北海道東部地域の1定点(帯広畜産大学構内)で,1981~2006年度冬期に上の凍結深と積雪深の観測を実施し,積雪下の上の凍結融解特性を分析した.その結果,年最大凍結深は,26冬期に5~55cmと年毎に大きく異なった.凍結深は,積雪深に影響され,積雪深が20cm に達するまでの積算寒度の平方根に比例することを確認した.一方,凍土の融解は,地中からの熱流の影響もあるが,根雪期間完了ごろに地表面から急速に進行する.そして,3月下旬から5月上旬までに凍土は完全に消失した.この凍土が消失する深さは,根雪期開完了日から凍土消失日までに降雨や表土の再凍結がなければ,その間の積算暖度の平方根に比例することが示された.これらの関係を用いて,帯広測候所の気温と積雪深データから1961~1980年度の最大凍結深や凍土消失日の予測結果を加え,46冬期の長期特性を考察した.初冬の積雪の増加,最深積雪の増加,1991年以降の凍結指数減少などにより,最大凍結深は減少し,凍土消失日は4月中旬から上旬へ早まる,この半世紀の傾向が明らかになった.

収録刊行物

  • 雪氷

    雪氷 71 (4), 241-251, 2009

    公益社団法人 日本雪氷学会

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (28)*注記

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