総腸間膜症に発症したS状結腸軸捻転症の1例

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タイトル別名
  • A Case of Volvulus of the Sigmoid Colon Associated with Mesenterium Commune

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抄録

症例は82歳女性。腹痛,腹部膨満にて外来を受診,腹部X線写真にて巨大結腸ガス像を認めた。患者は,数年前より便秘症を主訴に通院内服加療をしており,S状結腸軸捻転症にて数回の整復を行っていた。当初,今までと同様に大腸内視鏡による整復を試みるも改善せず,腹部は緊満状態であり,S状結腸軸捻転症に伴う絞扼性イレウスと判断し,緊急開腹術となった。正中切開にて開腹,S状結腸が反時計まわりに約270度の捻転を呈し,著明に拡張,絞扼されていた。徒手的に整復し検索すると上行結腸から下行結腸にかけて後腹膜に固定されておらず,小腸と共通の腸間膜をもつ総腸間膜症の状態であった。整復後も腸管の循環障害が顕著にて腸管吻合は困難と判断し,拡張腸管の切除,人工肛門造設術となった。術後は経過良好にて14日目に退院となった。

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参考文献 (11)*注記

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