木質ペレットの製造に関する原単位および推算式の検討

  • 高梨 啓和
    鹿児島大学大学院理工学研究科化学生命・化学工学専攻
  • 大林 慶一
    鹿児島大学大学院理工学研究科化学生命・化学工学専攻
  • 佐潟 輝洋
    鹿児島大学大学院理工学研究科化学生命・化学工学専攻
  • 寺岡 行雄
    鹿児島大学農学部生物環境学科
  • 甲斐 敬美
    鹿児島大学大学院理工学研究科化学生命・化学工学専攻
  • 筒井 俊雄
    鹿児島大学大学院理工学研究科化学生命・化学工学専攻
  • 中島 常憲
    鹿児島大学大学院理工学研究科化学生命・化学工学専攻
  • 大木 章
    鹿児島大学大学院理工学研究科化学生命・化学工学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Unit requirements and formulas for estimating wood pellet cost and carbon dioxide emission in its utilization processes
  • モクシツ ペレット ノ セイゾウ ニ カンスル ゲン タンイ オヨビ スイサンシキ ノ ケントウ

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抄録

本論文では,燃料としての需要が見込まれる木質ペレット(ペレット)の製造単価を,森林簿に基づいた地理情報システム(GIS)上でのシミュレーションによって求めることなどを最終的な目標として,それに必要な原単位および伐採・搬出コストの推算式,ペレットを造粒する際のコストとエネルギー消費量の推算式を求めた。シミュレーションの前提として,森林から伐採した丸太は,建材などの材として利用せずに,全量をペレットに加工して直接燃焼機器の燃料として利用することとした。これにより,木材需要規模の制約や外材の価格変動などの外的因子によって原材料価格が変動することが回避可能となり,木質バイオマスの大規模活用の可能性を検討することができる。国内において森林資源を利用する際に,コスト面から問題が大きいとされている木質バイオマスの伐採・搬出コストを,林地傾斜角および搬出距離の関数として整理することができた。ペレット製造に関するコストおよびエネルギー消費量は,ペレット製造工場へのヒヤリング調査および文献調査に基づいて,生産規模の関数として整理することができた。屋久島(鹿児島県熊毛郡屋久島町)を対象として,島内の給湯器,ボイラー,ストーブおよび吸収式空調機によって消費されている化石燃料を,ペレット燃料で代替する際のペレット需要量を求めた。ペレット需要量は,屋久島の最終エネルギー消費構造と機器効率から算出した。その結果,当該地域の給湯器,ボイラー,ストーブおよび吸収式空調機を,ペレットを燃料として稼働させるための量を持続的に供給することが可能であった。

収録刊行物

  • 環境科学会誌

    環境科学会誌 22 (4), 241-246, 2009

    社団法人 環境科学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (25)*注記

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