進行性麻痺により確定診断前に手術を施行した脊椎腫瘍の検討―生検をかねたpalliative surgeryの意義と問題点―

  • 山元 拓哉
    鹿児島大学大学院運動機能修復学講座整形外科学
  • 井尻 幸成
    鹿児島大学大学院運動機能修復学講座整形外科学
  • 善明 美千久
    鹿児島大学大学院運動機能修復学講座整形外科学
  • 坂本 光
    鹿児島大学大学院運動機能修復学講座整形外科学
  • 河村 一郎
    鹿児島大学大学院運動機能修復学講座整形外科学
  • 八尋 雄平
    鹿児島大学大学院運動機能修復学講座整形外科学
  • 米 和徳
    鹿児島大学大学院運動機能修復学講座整形外科学
  • 小宮 節郎
    鹿児島大学大学院運動機能修復学講座整形外科学

書誌事項

タイトル別名
  • Palliative Surgery for Undiagnosed Spinal Tumors with Progressive Neurological Signs
  • ―生検をかねたpalliative surgeryの意義と問題点―

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抄録

(はじめに)重篤な進行性の麻痺により病理診断前にpalliative surgeryを施行した脊椎腫瘍の術後経過につき検討した.(対象および方法)対象は後方除圧固定術後2年以上経過した6例(全例男性),手術時平均年齢は70.3(56―84)歳であった.これらの原疾患,神経症状,生命予後,患者および家族の満足度につき検討した.(結果)原疾患はATLが2例,肝細胞癌,甲状腺濾胞腺癌,paraganglioma,形質細胞腫が各1例で,Frankel分類で二段階改善が2例,一段階改善が4例であり,全例で術後歩行可能となった.死亡例は2例(術後5ヶ月,2年4ヶ月)で,再手術例は1例(術後3年)であった.5ヶ月で死亡した1例を除き手術に対する満足度は高かった.(考察)術直後のADLは良好であったが,生命予後と長期的ADLは追加治療の効果によるため術前に十分な説明と同意を得る事が必要である.

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参考文献 (4)*注記

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