当院における腹部内臓動脈瘤破裂9例の検討

  • 高橋 英雄
    神戸市立医療センター中央市民病院外科
  • 小林 裕之
    神戸市立医療センター中央市民病院外科
  • 田村 亮
    神戸市立医療センター中央市民病院外科
  • 細谷 亮
    神戸市立医療センター中央市民病院外科
  • 伊藤 亨
    神戸市立医療センター中央市民病院画像診断・放射線治療科
  • 今井 幸弘
    神戸市立医療センター中央市民病院臨床病理科

書誌事項

タイトル別名
  • A REVIEW OF 9 CASES OF RUPTURED ABDOMINAL VISCERAL ANEURYSMS

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抄録

8年間でわれわれが経験した9例の腹部内臓動脈瘤破裂症例について検討し,文献的考察を加えて報告する.破裂動脈瘤の内訳は,中結腸動脈3例,右結腸動脈2例,膵十二指腸動脈,第1空腸動脈,左胃動脈,脾動脈がそれぞれ1例であった.確定診断には血管造影を行った.8例は引き続きTAE(Transcatheter arterial embolization)を試みた.うち3例は止血に成功し,4例は手術が必要であった.術式は,動脈瘤切除1例,動脈瘤結紮2例,動脈瘤を含めた腸管切除2例であった.9名中7名が生存し,2名が死亡した.経過中,1例に動脈瘤の再発,出血を認めたが,TAEで止血可能であった.病理学的に検討できた症例は3例で,全例で分節的動脈中膜融解(SAM;Segmental arterial mediolysis)と診断された.われわれは腹部内臓動脈瘤破裂を疑った場合,まず血管造影を行い,治療はTAEを第一選択としている.また,動脈瘤治療後にはMDCT(Multi-detector CT)での経過観察を推奨したい.

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被引用文献 (7)*注記

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参考文献 (32)*注記

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