脾臓に腫瘤を形成した膵腺房細胞癌の1例

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  • A CASE OF INTRASPLENICALLY GROWN ACINAR CELL CARCINOMA OF THE PANCREAS

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抄録

症例は72歳,男性.嘔吐を主訴に当院救急外来を受診した.血液生化学検査では軽度の貧血を認めたほかは異常を認めず,CEA,CA19-9も正常範囲内であった.腹部超音波検査では脾臓の大部分を占める小嚢胞の集簇を伴う充実性の腫瘤を認め,脾動脈周囲にリンパ節の腫大を認めた.腹部CTでは膵尾部に接して脾臓に淡い造影効果を伴う腫瘍を認めた.腹部血管造影では,脾臓全体に広がる血管増生像を認めた.上下部消化管内視鏡検査では,胃粘膜下腫瘍と大腸ポリープを認めた.脾原発血管肉腫を第一に疑い,膵体尾部切除,脾摘出術,胃部分切除術を施行した.病理組織診断は脾浸潤,胃転移を伴う膵腺房細胞癌であった.術後1年経過した現在再発徴候なく経過観察中である.

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