胃全摘術後の上腸間膜動脈閉塞症の1例

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タイトル別名
  • A CASE OF OCCLUSION OF THE SUPERIOR MESENTERIC ARTERY AFTER TOTAL GASTRECTOMY

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抄録

症例は心房細動・肝硬変・1年前に胃癌に対する胃全摘術の既往を有する58歳の男性.腹痛を主訴に当科を受診し,絞扼性イレウスの術前診断の下,発症29時間後に緊急開腹した.上腸間膜動脈閉塞症による全小腸および右半結腸虚血・広範小腸壊死と診断したが,全虚血腸管切除と一期的吻合による再建は危険と判断し,壊死小腸550cmのみを切除の上,口側断端を単孔式空腸瘻,肛門側断端を回腸粘液瘻とし,チューブ十二指腸瘻を造設した.残存小腸は50cmであった.術後,胃全摘時の再建挙上空腸脚下端の虚血性狭窄とその口側の拡張に起因する誤嚥性肺炎を反復したため,経皮的・内視鏡的に拡張腸管に空腸瘻を造設した.全身的なリスクから,腸瘻閉鎖と腸吻合による再建には至り得ず,術後11カ月目に独歩退院し,短腸症候群に対して在宅間欠的TPN管理としたが,術後13カ月目に肝不全のため死亡した.

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参考文献 (17)*注記

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