基本バランス能力テストの考案と信頼性・妥当性・臨床的実用性の検討

  • 望月 久
    文京学院大学 保健医療技術学部 首都大学東京 健康福祉学部
  • 金子 誠喜
    首都大学東京 健康福祉学部

書誌事項

タイトル別名
  • Development of the Basic Balance Ability Test and Examination of its Reliability, Validity and Clinical Utility
  • キホン バランス ノウリョク テスト ノ コウアン ト シンライセイ ダトウセイ リンショウテキ ジツヨウセイ ノ ケントウ

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抄録

〔目的〕パフォーマンスに基づくバランス能力評価指標(以下,基本バランス能力テスト)を考案し,その信頼性,妥当性,および臨床における実用性を検討することを目的とした。〔対象〕検査対象者総数は種々の疾患によりバランス能力低下を呈する患者122名であった。〔方法〕基本バランス能力テストは,端座位における姿勢保持と重心移動,立位における姿勢保持・重心移動・ステップ動作,および立ち上がり動作を検査課題とした。検査項目は25項目とし,各項目を不可:0点,不安定:1点,安定:2点で評定し,合計で50点満点とした。信頼性は理学療法士20名が3ヵ月おいて2回測定を実施し,検査項目の評定の一致度を調査した。妥当性はBerg balance scaleとの相関により検討した。実用性は基本バランス能力テストの測定に要する時間,歩行能力との対応関係より検討した。〔結果〕再評価の各検査項目の一致率は平均で81.6±10.9%であった。Berg balance scaleとの相関はr=0.88(p<0.01)であった。測定時間は平均で8.6±5.2分であり,合計点は対象者の歩行能力に従って推移した。〔結語〕以上の結果,考案した基本バランス能力テストは臨床的なバランス能力評価指標として有用と考えた。<br>

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