痔瘻術後の再発を考える  I.痔瘻再発の考え方―国内専門医のアンケート調査と海外専門医の見解―

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  • Perspective of Recurrent Anal Fistulas: Survey of Experienced Japanese Proctologists and Views of Overseas Colorectal Surgeons

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抄録

痔瘻の治療成績の評価法を標準化してディスカッションするためには用語の使い方を共有する必要である.今回,著者らは痔瘻再発に関する国内専門医に対してアンケートを実施し,また海外の専門医の見解を文献的に検討した.アンケートの回答から,痔瘻の治療後の状態を表現する用語として「治癒」は完全に上皮化した場合,「非治癒」は完全に上皮化していない場合とする意見に集約された.治癒期間の規定に関しては意見がわかれたが,症例により治療期間の差が大きいことや基準の複雑化になるとする意見が多く,治療期間を規定することは今後の議論が必要と思われた.「再発」に関しては,欧米では非治癒例をまとめて「Recurrence」と表現している場合が多いが,国内の専門医の意見では治癒に至らずに経過する「非治癒」と,治癒後に再燃する「再発」とを区別すべきであるとする意見が優勢であった.「非治癒」「再発」の条件としては内腔と連絡する一次口の存在を重視する意見に集約された.痔瘻の治療成績は観察期間を明記した治癒(率)をもって評価するのが最も異論が少ないと思われる.<br>

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