外来患者の患者満足度に関する研究 ―医療機関の規模・機能による差について―

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タイトル別名
  • A Study of Patient Satisfaction in Ambulatory Care

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抄録

近年わが国では,多くの医療機関で患者満足度調査の取り組みが行われており,調査で得られた情報を有効に活用することが求められている.従来の患者満足度に関する多くの調査・研究は,単施設の患者を対象としている.そこで本研究では,複数の医療機関の外来患者を対象にして,医療機関の規模・機能別の患者満足度と,患者満足度に影響を与える要因について検討した.その結果,医療機関の規模・機能に関わらず,医師の評価,設備・環境の評価,健康回復感が総合満足度に影響を与えており,なかでも,医師の評価が与える影響力は最も大きかった.大学病院については特異な関連要因が認められ,年齢が若い,長期通院をしている,待ち時間が長いほど,総合満足度が低くなるという結果であった.大学病院および大規模病院においては,待ち時間への特段の配慮など,他の規模・機能の医療機関とは異なった対策が講じられることが,外来患者の満足度の向上につながると考えられる.

収録刊行物

  • 医療情報学

    医療情報学 24 (2), 297-304, 2004

    一般社団法人 日本医療情報学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (22)*注記

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