チトクロムP-450の阻害に基づく薬物相互作用

  • 吉成 浩一
    東北大学 大学院薬学研究科 薬物動態学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Drug-drug interactions resulting from inhibition of cytochrome P450s
  • 創薬シリーズ(4)化合物を医薬品にするために必要な薬物動態試験(その3)代謝(5)チトクロムP-450の阻害に基づく薬物相互作用
  • ソウヤク シリーズ 4 カゴウブツ オ イヤクヒン ニ スル タメニ ヒツヨウ ナ ヤクブツ ドウタイ シケン ソノ 3 タイシャ 5 チト クロム P 450 ノ ソガイ ニ モトズク ヤクブツ ソウゴ サヨウ
  • Drug—drug interactions resulting from inhibition of cytochrome P450s

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抄録

薬物動態学的な相互作用の多くは代謝に関連したものであり,その大半はチトクロムP-450(CYP)の酵素阻害に基づくものである.CYPの阻害様式は,1)複数の基質による競合阻害,2)薬物の窒素を含む複素環がCYP活性中心のヘム鉄に配位することによる非特異的阻害,3)反応性に富む代謝物がCYPと複合体を形成することで不可逆的に酵素を不活性化する阻害,に大別される.CYP阻害に基づく相互作用は,治療効果の変化や重篤な副作用の発現に繋がることがある.したがって,より安全な医薬品の開発には,代謝に関わるCYP分子種の同定と共に,CYP阻害作用が欠かすことのできない評価項目となっている.本稿では,CYPの阻害様式と阻害に基づく相互作用の発現機序について,具体例を挙げて解説するとともに,創薬における相互作用評価法について簡単に紹介する.<br>

収録刊行物

  • 日本薬理学雑誌

    日本薬理学雑誌 134 (5), 285-288, 2009

    公益社団法人 日本薬理学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (19)*注記

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