乳牛におけるリン排せつ量予測モデルの開発とシミュレーション

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タイトル別名
  • Development and Simulation of a Model for Predicting Phosphorus Excretion in Dairy Cows
  • 乳牛におけるリン排泄量予測モデルの開発とシミュレーション
  • ニュウギュウ ニ オケル リン ハイセツリョウ ヨソク モデル ノ カイハツ ト シミュレーション

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抄録

本研究の目的は,乳牛のリン排泄量を予測するモデルを開発し,そのモデルを用いてシミュレーションを行い,乳牛によるリン排泄量抑制の手段を検討することであった.ホルスタイン種雌牛を用いた日米のリン出納実験のデータを用いてモデルの妥当性を検証した.その結果,日本のデータでは本モデルは予測値と実測値がよく一致したが,アメリカのデータでは過大に予測される傾向のあることが示唆された.このような結果が得られたのは,本モデルが日本飼養標準(1999)に基づいて作成されており,日本国内の飼養条件のみが考慮されているためと推察された.飼料中リン濃度(DPC ; g/乾物kg)と305日間にわたる泌乳期間中の305日乳量(TMY ; kg)をそれぞれ独立に変化させ,305日間の泌乳期間中のリン排泄量(TPexc ; kg)と,総リン摂取量に対する総リン排泄量の比(I1)および305日乳中のリン量に対する総リン排泄量の比(I2)の2種の環境負荷指標に対するこれらの要因の影響を調べた.その結果,DPCの低下はTPexcとI1およびI2を低下させ,TMYの増加はTPexcを増加させるが,I1およびI2のいずれもを低下させることが示された.

収録刊行物

  • 日本畜産学会報

    日本畜産学会報 74 (4), 499-507, 2003

    公益社団法人 日本畜産学会

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (36)*注記

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