ドセタキセルの投与によりPersistent Serpentine Supravenous Hyperpigmented Eruptionを生じた1例

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タイトル別名
  • A Case of Persistent Serpentine Supravenous Hyperpigmented Eruption Associated with Docetaxel

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抄録

背景.ドセタキセル注入後における抗癌剤注入部からの表在性静脈網に沿った色素沈着(静脈炎後の色素沈着): persistent serpentine supravenous hyperpigmented eruption(PSSHE)は稀である.症例.54歳,男性.非小細胞肺癌にて,2007年6月よりドセタキセル(40 mg/m2;days 1, 8)+シスプラチン(40 mg/m2;days 1, 8)による化学療法を開始した.初回投与のday 10に,1回目投与時の左橈側皮静脈穿刺部周辺に軽度の掻痒を伴う発赤,水疱が出現し,さらに左前腕遠位部の皮静脈網に沿って無痛性の線状紅斑性発疹が出現した.発疹はしだいに近位方向に広がり,上腕遠位部にまで及んだ.発赤部はステロイド剤外用にて軽快し色素沈着を残した.その後2回のドセタキセル+シスプラチンの投与では発疹は生じなかったが,左橈側皮静脈より4回目の投与を施行したところ,2コース目のday 15より4回目投与時の穿刺部から再度左前腕の静脈に沿った発赤,色素沈着を生じた.結論.ドセタキセルによるPSSHEは稀であり,病態やリスク因子の把握,予防法の確立が必要であると考えられたため報告する.<br>

収録刊行物

  • 肺癌

    肺癌 49 (2), 198-201, 2009

    特定非営利活動法人 日本肺癌学会

参考文献 (23)*注記

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