胸壁に発生したデスモイド腫瘍の1切除例

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タイトル別名
  • A resected case of chest wall desmoid tumor

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抄録

患者は75歳,男性.検診にて右上肺野の異常影を指摘され,精査の結果,右前胸壁の第1肋間筋を主座とする最大径7cmの線維増殖性腫瘍と診断された.腫瘍は第1,2肋骨・肋間筋,小胸筋とともに一塊にして切除し,その後胸壁再建術を行った.組織学的には,膠原線維と軽度の異型性をもつ紡錘形細胞の疎な増殖からなるデスモイド腫瘍であり,完全切除例と診断された.また,右肺下葉には1.6m大の原発性高分化型肺腺癌が合併した.デスモイド腫瘍が胸壁に発生することはきわめてまれで,さらに同時性の非小細胞肺癌合併例の報告は現在までに認めない.デスモイド腫瘍は局所再発率が非常に高いため,慎重な経過観察が必要である.

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