妊娠中に血胸で発症した肺動静脈瘻の胸腔鏡下切除例

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タイトル別名
  • A case of thoracoscopic resection for massive hemothorax due to pulmonary arteriovenous fistula during pregnancy

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抄録

症例は32歳,妊娠18週の女性.右胸部痛を主訴に通院中の産科外来受診.右胸水の診断で当科紹介となる.胸部レントゲン上,右胸腔内に液体貯留を認め,胸部CTでも同様の所見と右S5に径1cm大の結節陰影を認めた.局所麻酔下に右胸腔の試験穿刺を施行したところ血液が400ml吸引され,3時間後のレントゲンで血胸の増悪を認めたため,止血術を行うこととした.胸腔鏡下に観察すると大量の凝血塊を認め,中葉の拡張した異常血管より出血しているのが確認された.肺動静脈瘻破裂の診断で出血部位を切除し,下葉の同病変部と思われる箇所も切除を行った.経過は良好で2病日目に退院となる.術後5ヵ月目に出産し,母子ともに問題なく健康である.妊娠中に血胸で発症した肺動静脈瘻について文献的考察を加えて報告する.

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参考文献 (15)*注記

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