開胸術後の骨性胸郭の離開を伴った創し開例の検討

• 加藤 靖文

  神奈川県立がんセンター　呼吸器外科 東京医科大学病院　呼吸器外科

• 中山 治彦

  神奈川県立がんセンター　呼吸器外科

• 伊藤 宏之

  神奈川県立がんセンター　呼吸器外科

• 坪井 正博

  神奈川県立がんセンター　呼吸器外科

• 池田 徳彦

  東京医科大学病院　呼吸器外科

書誌事項

タイトル別名

• Wound dehiscence associated with opening of the thoracic cage after thoracotomy

抄録

創哆開の原因にsurgical site infection：SSIがあることは周知であるが，SSI以外にも創哆開が発生することがある．SSIに起因しない骨性胸郭離開を伴う創哆開を3例経験したのでその原因を検討した．症例1：糖尿病合併例で胸壁腫瘍摘出後28日目に開胸創が全層に渡り哆開した．症例2：full doseの放射線化学療法（CRT）後で左上葉切除後13日目に著明な肺瘻を発症，手術で開胸創哆開が判明した．症例3：full dose CRT後の左下葉切除後17日目に肺瘻を発症，開胸創哆開が判明した．全例に創傷治癒遷延因子（糖尿病，CRT後）があり，全例に吸収糸を用いたZ縫合で閉胸していた．糸の切断を検討すると糸の交叉部位に切断機転が働くことが判明した．糸が切断，肋間が開き，開胸部位に癒着した肺が裂傷を起こし，肺瘻が生じたと思われた．対策は，Z縫合をやめ4針以上の単結紮で骨性胸郭を閉胸することにしてから，これらの創哆開は起こっていない．

収録刊行物

• 日本呼吸器外科学会雑誌

  日本呼吸器外科学会雑誌 23 (4), 647-652, 2009

  特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会

キーワード

• 創哆開
• 開胸術後
• 合併症
• salvage surgery
• 肺裂傷

詳細情報

• CRID: 1390282679338695552
• NII論文ID: 10025953340
• NII書誌ID: AN10467885
• DOI: 10.2995/jacsurg.23.647
• ISSN: 18814158
• ISSN: 09190945
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2009230104
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • Crossref
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可