関節リウマチ患者の肩甲胸郭関節に生じた滑液包炎の1例

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  • Scapulothoracic bursitis due to rheumatoid arthritis: Report of a case

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抄録

我々は,関節リウマチ治療中に肩甲胸郭関節に生じた滑液包炎の1例を経験した.症例は46歳女性.胸部単純X線検査にて左第6肋骨変形および右第6肋骨の透過性亢進を認め,CT上,両側肩甲骨下に低濃度腫瘤影を認めた.また,MRIにて前鋸筋と胸壁の間にT1WIで低信号,T2WIで高信号の嚢胞性腫瘤を認めた.画像検査,腫瘤内容液の培養検査および細胞診にても確定診断に至らず,結核の既往歴から結核性膿瘍を疑い抗結核薬の投与を行ったが,左側腫瘤が増大したため,診断および治療目的に手術を施行した.病理組織検査にて滑液包炎と診断した.今回,関節リウマチが原因と考えられる肩甲胸郭に生じた滑液包炎の1例を経験したので報告した.非常に稀であるが,関節リウマチ患者で肩甲骨下に嚢包性腫瘤を認めた場合は,肩甲胸郭滑液包炎も鑑別として考えるべきである.

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