切迫流早産に補中益気湯が有効であった1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Threatened Premature Delivery Successfully Treated with Hochuekkito
  • 臨床報告 切迫流早産に補中益気湯が有効であった1例
  • リンショウ ホウコク セッパクリュウ ソウザン ニ ホチュウエッキトウ ガ ユウコウ デ アッタ 1レイ

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抄録

切迫流早産の治療においては,可能な限り妊娠期間の延長を図ることが肝要とされる。治療剤として,塩酸リトドリンが用いられるが,動悸などの副作用のため使用が困難な症例もある。妊娠期間延長に補中益気湯が有効であった1例を経験した。症例は,31歳女性。妊娠第21週5日,下腹部痛あり,切迫流産の診断で,床上安静,塩酸リトドリン点滴開始されたが,副作用と思われる動悸,頻脈,振戦が出現。動悸のため不眠となり,倦怠感,吐気や食欲不振も出現したため,妊娠第23週1日に当科紹介。補中益気湯エキスを処方したところ,それらの症状は著明に改善した。妊娠第28週,体重1230gの男児を出産した。補中益気湯投与により,塩酸リトドリンの副作用と思われる症状が軽減し,継続投与が可能となり,漢方治療の切迫流早産における有用性が示唆された。

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