蛍光寿命イメージングを用いる単一細胞内計測の展開

書誌事項

タイトル別名
  • Studies on Microenvironment in a Single Cell Using Fluorescence Lifetime Imaging Microscopy
  • ケイコウ ジュミョウ イメージング オ モチイル タンイツ サイボウ ナイ ケイソク ノ テンカイ

この論文をさがす

抄録

蛍光による細胞のイメージングにおいて,蛍光強度ではなく,時間分解分光法を用いて蛍光寿命をイメージングすることにより,各種外来刺激に対する細胞内の応答機構について検討している.発光種が一種類であっても,蛍光強度は蛍光分子の濃度,励起光強度,励起波長及び光学系に依存するのに対し,蛍光寿命はこれらの実験条件に依存しない.そのために蛍光強度測定に比べて定量性が大きく増加し,細胞内の蛍光分子の環境変化などを高感度に検出することができる.また時間分解測定から細胞内の光励起ダイナミクスを直接観測することができ,蛍光寿命というパラメーターから,単一細胞内の様々な現象を明らかにすることができる.本稿では,著者らが製作した蛍光寿命イメージングシステムについて紹介し,変異型緑色蛍光タンパク質を用いた細胞のストレスに伴う蛍光寿命の変化及び蛍光寿命を用いた単一細胞内のpH計測について解説する.また,フルオレセイン誘導体によって染色された高度好塩菌の蛍光寿命イメージング測定の結果についても報告する.

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 58 (6), 473-485, 2009

    公益社団法人 日本分析化学会

被引用文献 (3)*注記

もっと見る

参考文献 (123)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ