乳汁中ペルフルオロ化合物の定量及び母体血からの移行性

書誌事項

タイトル別名
  • Determination of Perfluorinated Compounds in Human Milk and Evaluation of Their Transition from Maternal Plasma
  • ニュウジュウ チュウ ペルフルオロ カゴウブツ ノ テイリョウ オヨビ ボタイ ケツ カラ ノ イコウセイ
  • Determination of perfluorinated compounds in human milk and evaluation of their transition from maternal plasma [in Japanese]

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抄録

本研究では,ペルフルオロ化合物(PFCs)の子どもへの暴露源として乳汁に着目し,高速液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析法(LC/MS/MS)による高感度分析法を構築した.前処理にはOasis WAXによる固相抽出法を採用した.添加回収試験では,平均回収率94.3~109.0%(RSD<10.3%)と良好な結果が得られ,本法による定量限界は,ペルフルオロオクタン酸(PFOA)に関しては0.012 ng/mL,ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS),ペルフルオロヘキサンスルホン酸(PFHxS)及びペルフルオロノナン酸(PFNA)では0.004 ng/mLであった.本法を用いてヒト母乳,育児用粉ミルク及び牛乳の分析を行ったところ,ヒト母乳中から比較的高濃度のPFCsが検出され,その濃度範囲はPFOSで0.046~0.098 ng/mL,PFOAでは0.016~0.270 ng/mLであった.更に,ヒト母体血から母乳へのPFCs移行性を調べるために,母乳と同一個人から採取した母体血中のPFCs濃度を測定したところ,母体血と母乳の間には有意な相関性が示された.

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 58 (8), 653-659, 2009

    公益社団法人 日本分析化学会

被引用文献 (11)*注記

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参考文献 (28)*注記

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