MRI-CGCM気候変化シナリオから予測した日本における21世紀の水稲の潜在収量

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タイトル別名
  • Potential rice yield in the 21st century in Japanunder the climate change scenario based on MRI-CGCM
  • MRI-CGCM キコウ ヘンカ シナリオ カラ ヨソク シタ ニホン ニ オケル 21セイキ ノ スイトウ ノ センザイ シュウリョウ

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抄録

気象庁気象研究所大気・海洋結合モデル(MRI-CGCM)の気候変化シナリオと水稲の生育・収量予測モデル(SIMRIW)を用いて、日本における今後100年間の水稲の潜在収量を予測した。この研究では、代表的な水稲の品種として、「コシヒカリ」と「きらら395」を選んだ。また、移植日に関しては、現行のままである場合と気候変動に適するように変化させた場合について予測した。その結果、移植日が現行のままであると仮定した場合、筑後とつくばでは今後100年間に「コシヒカリ」の栄養生長期間が現在と比較して16~19日短くなり、潜在収量は約15%減少することが予測された。しかし、気候変動に適するように移植日を変化させれば、栄養生長期の長さを確保できるため、「コシヒカリ」は現在の潜在収量に比べて10~15%の増収が見込まれる。一方、札幌と旭川で栽培されている「きらら395」の潜在収量は、移植日が現行のままであっても100年後には20%以上、移植日を気候変動に合わせると約25%以上の増収が見込まれる。さらに、30~40年後には、現在「コシヒカリ」の栽培が不可能である東北北部から北海道においてもその栽培が可能となり、100年後には潜在収量が8t ha-1を越えることが予測された。

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参考文献 (36)*注記

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